ReTechとは?不動産×ITが必要な理由や活用するメリットとは
不動産業界では、紙ベースの契約書や対面中心の営業など、アナログな業務が今も多く残っているのが課題の一つとなっています。そんな不動産業界のデジタル化を進める存在として、近年注目を集めているのが「ReTech(リーテック)」です。
この記事では、不動産におけるIT化に不可欠なReTechとはどのようなものか、なぜ業界で求められるのかを解説します。また、仲介業務・管理業務それぞれでReTechを活用するメリットも紹介するので、今後業務のIT化を検討する際の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.ReTechとは
- 1.1.ReTechの定義
- 1.2.不動産業界にReTechが求められる理由
- 2.ReTechビジネスの種類
- 3.ReTech活用のメリット
- 3.1.仲介業務
- 3.1.1.反響率アップ
- 3.1.2.追客業務の改善
- 3.1.3.オンライン対応の効率化
- 3.2.管理業務
- 3.2.1.情報の一元化が可能
- 3.2.2.諸手続きのサポートが可能
- 3.2.3.物件募集情報作成の効率化が可能
- 4.ReTechを活用して自社の売上アップを目指そう
ReTechとは
金融領域におけるITを使ったサービス「FinTech(フィンテック)」、オンライン授業などITを使った教育サービスを指す「EdTech(エドテック)」など、各分野において「X-Tech(クロステック)」と呼ばれる最新技術と掛け合わせたサービスが広がりを見せています。
こうした流れの一つが不動産業界における「ReTech」の普及です。まずは、Retechとはどのようなもので、なぜ求められているのかを見ていきましょう。
ReTechの定義
ReTechは、「Real Estate(不動産)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語で、その名の通り、不動産と最新テクノロジーを融合したサービスのことを指します。「不動産テック」「PropTech(プロップテック)」「不動産DX」などとも呼ばれます。
冒頭で紹介した金融とITを掛け合わせた「FinTech」、教育とITを掛け合わせた「EdTech」の他、人材とITを掛け合わせた「HRTech」などは、既に多くの人に知られつつありますが、ReTechも日本において近年注目度が高まっているサービスの一つです。
不動産業界にReTechが求められる理由
不動産業界では、未だに紙の契約書による取引や対面での営業が基本であり、デジタル化がなかなか進まない点が課題となっています。また、専門的な知識がないと理解が難しい複雑な取引内容、不動産業者しか確認できない情報の存在など、不動産業者と消費者の間に「情報の非対称性」が存在することも大きなネックです。
日本では、こうした商慣習が長く続いてきたため、テクノロジーの活用が十分に進んでいないのが実情です。ReTechの導入により、不動産に関する業務全般を透明化すると共に、不動産業者・消費者双方の利便性の向上につながると期待されています。
ReTechビジネスの種類
ReTechビジネスは、大きく分けて「ビッグデータ活用型」「マッチング提供型」「業務支援型」の3種類です。ここでは、それぞれのサービスの特徴や、不動産業務との親和性について解説していきます。
ビッグデータ活用型
「ビッグデータ活用型」のReTechサービスでは、不動産に関するビッグデータを収集・分析・加工し、ビジネスに有用な統計情報や予測データを提供します。過去の膨大なデータをベースにしているため、従来は担当者の経験や勘に頼る場面も多かった建物管理や仲介業務において、親和性が高いといえるでしょう。
マッチング提供型
「マッチング提供型」のReTechサービスは、プラットフォーム上で売り手と買い手、消費者と不動産業者など、不動産に関わるプレイヤーの間をつなぐ機会を提供します。
この種類のビジネスの親和性が高いのは仲介業務です。仲介業務は売り手・買い手、貸し手・借り手の間をつなぐビジネスであり、不動産業界の中でもReTechが特に盛り上がっている領域となっています。
業務支援型
「業務支援型」のReTechサービスは、先進的なテクノロジーやクラウドなどを活用した自動化・業務の定型化により、消費者の利便性や企業の業務効率を向上するツールや環境を提供します。
労働集約的なアナログ業務をデジタル化するのに大きな効果が期待できることから、建物管理や仲介業務の分野において親和性が高いといえるでしょう。
ReTech活用のメリット
不動産業界にDX化をもたらすReTechですが、活用することによって具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。仲介業務と管理業務に分け、ReTechがもたらすメリットを以下で紹介します。
仲介業務
不動産業界の中でも特にReTechとの相性がよく、現在盛り上がりを見せているのが仲介業務の領域です。まずは、仲介業務にReTechを取り入れた場合に得られる3つのメリットを見ていきましょう。
反響率アップ
ReTechを導入し、自社ホームページなどを通して顧客のニーズに合ったコンテンツを配信することで、反響率や集客効果を高められる可能性があります。
Webを活用した営業は既に多くの企業が導入していますが、顧客の特性に合わせた営業を自動化できる点がReTechのポイントです。自社ホームページを利用した顧客のデータをもとに、UIやUXを洗練させられれば、顧客の利便性向上にもつながるでしょう。
蓄積したデータを活用して、利用中の不動産ポータルサイトの管理戦略を練れば、顧客獲得率や成約率のアップにつながるかもしれません。
追客業務の改善
ReTechによる大量のデータ収集や分析により、反響に対する対応や追客業務を省力化できる点も大きなメリットです。例えば、ユーザーに合った物件を自動で見つけて提案してくれたり、物件情報を入力するだけで自動で査定結果が出たりといったサービスが実用化されています。
顧客からの問い合わせに対しても、データベースやプラットフォームの利用により社内の誰もが対応できるようになるため、従業員の労務環境改善にもつながるでしょう。
オンライン対応の効率化
さまざまな業務のオンライン対応が可能となり、顧客と不動産業者双方のコストや時間の削減につながることもReTech導入のメリットです。
例えば、遠隔地の顧客や仕事で時間が取りづらい顧客へのオンライン内見・VR内見での対応、賃貸・売買における契約のオンライン化などが可能となります。また、契約時の顧客とのスケジュール調整や書類のやりとり、捺印のための訪問、印紙代の準備なども不要です。
管理業務
Retechは仲介業務を中心に広がってきましたが、今後は管理業務への展開がいっそう進むといわれています。管理業務でReTechを活用するメリットは次の通りです。
情報の一元化が可能
管理業務では一つの物件に対して、物件そのものの情報や入居者に関する情報、関連業者に関する情報など、多くの情報が存在します。関連している情報がバラバラだと、必要な情報にアクセスするのに時間がかかったり、更新時点が揃わなかったりといった問題が発生するでしょう。
ReTechを用いれば情報を一元化できるため、関係者が常に最新の情報を共有・確認できるようになります。セキュリティの強化により、書類の紛失やデータの誤消去、ハッキングなどのリスクに強い情報管理も実現可能です。
諸手続きのサポートが可能
上記のように、データが一元的に管理できていれば、顧客情報と紐づけて諸手続きのサポートを手軽に行えるようになります。具体的には、契約書類や更新・退去に関する書類、伝票などを簡単に作成・出力できるようになるでしょう。
顧客ともデータでやりとりできるため、郵送の手配や来店の手間がかからなくなるのもうれしいポイントです。
物件募集情報作成の効率化が可能
単純作業でありながら工数のかかる物件募集情報の作成業務も、ReTechを活用すれば効率化できます。
一元管理された情報をもとに図面を作成したり、ポータルサイトへの情報入力を自動で行ったりすることで、業務時間の短縮につながります。従業員が事務的な業務にかける時間を営業活動に振り替えられるので、企業の生産性が向上する他、残業の削減にも寄与するでしょう。
ReTechを活用して自社の売上アップを目指そう
ReTechを活用することで、仲介業務や管理業務の効率化アップや顧客の利便性向上を実現できます。細かな事務業務にかかっていた時間や手間を削減できれば、従業員が営業活動に専念できるようになり、新規顧客獲得や成約率のアップも期待できるでしょう。
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